
盆栽ってなんで曲がっているの?



盆栽といえば、美しく整った枝ぶりや独特の曲がりが魅力ですよね。
それらは、人の手で「針金かけ(整枝)」という技術を使って形作られているんです。
針金かけとは、枝に針金を巻いて方向や角度を調整し、樹形を整える作業のこと。
「難しそう…」「枝を傷めそう…」と思われがちですが、正しいやり方を知っていれば、初心者でも十分チャレンジできます。
この記事では、
- 針金かけの基本
- 針金の選び方
- 針金の巻き方
- 針金の外し方
を、初めての方でも安心して実践できるよう丁寧に解説していきます。



ぜひこの記事を参考に、針金かけに挑戦してみてください。
針金かけの役割と効果|盆栽の形はどう作られる?
盆栽の美しい樹形は、自然のままに育てるだけではなかなか実現しません。
そこで使われるのが、針金かけ(整枝)という技術です。
針金かけは「盆栽のデザイン作業」
針金かけは、いわば盆栽にとっての“造形づくり”。
まっすぐ伸びた枝を曲げたり、広がりすぎた枝を内側に寄せたりすることで、自然の風景のような美しいシルエットが生まれます。
- 枝の方向・間隔・角度を整える
- 上に向かって伸びる枝を下へ下げる
- 隣の枝とのバランスを調整する
- 枝の「間(ま)」をつくって風通しをよくする
といったように、針金は“方向づけ”の道具です。
針金は、枝がまだ柔らかいうちに巻くと曲がりやすく、固定しやすいのが特徴です。
特に若木や芽吹いたばかりの枝に針金をかけておくと、成長とともに自然なカーブが定着していきます。
針金かけは単に見た目を整えるだけでなく、枝が重なりすぎて通風が悪くなるのを防いだり、日当たりを確保するためにも効果的。



盆栽全体が健康に育つサポートにもなります。
針金の種類と選び方|アルミ線と銅線の違い
盆栽で主に使われるのは、「アルミ線」と「銅線」の2種類。
それぞれ特徴が異なるため、目的や使いやすさに合わせて選ぶのがポイントです。
アルミ線|初心者に最もおすすめ
- 柔らかく、扱いやすいのが特徴
- 曲げ直しもしやすく、ミスしてもやり直しがしやすい
- 枝を傷つけにくいので、初めての針金かけに最適
- 黒や茶色など目立ちにくい色もあり、見た目も自然



一般的に、盆栽初心者はアルミ線から始めるのが安心です。
銅線|プロ向け・中〜上級者向き
- アルミ線よりも硬く、固定力が高い
- 特に「松」などの枝が硬い樹種に適しています
- 一度曲げると形がしっかり保持される
- ただし、初心者には扱いが難しく、枝を傷つけやすいことも



銅線はしっかりとした整枝が必要なときや、プロの作業向きです。
太さの選び方も重要
針金の太さも、整枝の成功を左右します。
基本的には、曲げたい枝の直径の約1/3程度の太さの針金が目安です。
- 細い枝:1.0~1.5mm
- 中くらいの枝:2.0mm前後
- 太い枝:2.5mm以上



必要に応じて複数の太さをそろえておくと便利です。
針金かけに適した時期とタイミング【いつやるの?】
針金かけは、いつでも好きなときにできる作業ではありません。
適切な時期に行わないと、枝に負担をかけたり、せっかく曲げた形が戻ってしまったりすることもあります。
ここでは、季節ごとの針金かけの目安と、作業のタイミングをわかりやすくご紹介します。
基本は「休眠期」または「枝が柔らかいうち」
針金かけに向いている時期は、枝に柔軟性があるタイミング、または植物が休眠している時期がベストです。



一般的には以下のような時期が適期です。
常緑樹(松・真柏など)の場合
秋(9月〜11月)〜冬(12月〜2月)
枝の成長が落ち着いており、針金が外れにくく、形が定着しやすい時期です。
寒冷地では、冬の間は屋内作業や風除け対策をしながら行いましょう。
春以降も針金かけは可能ですが、成長が早く針金が食い込みやすくなるため注意が必要です。
落葉樹(モミジ・カエデ・梅など)の場合
落葉後の冬(12月〜2月)〜芽吹き前の早春(2月〜3月)
枝の動きが少なく、剪定と同時に整枝作業がしやすい時期です。
芽吹き後の若枝に針金をかける場合は、成長の進み具合を見ながら早めに外す必要があります。
春〜夏の成長期は、若い枝が柔らかく曲げやすい反面、針金がすぐに食い込んでしまうリスクもあります。
成長の早い時期に針金をかけた場合は、1〜2ヶ月以内に外す前提で行うこと。



長期間放置すると、枝に跡が残ったり、傷ついたりします
針金の基本のかけ方|手順と巻き方
針金かけの作業は、最初は難しそうに感じるかもしれませんが、基本の手順をおさえれば初心者でもしっかり整枝ができます。
ここでは、枝に針金を巻く際の基本的な流れとコツを、わかりやすく解説します。
基本は「枝の直径の1/3程度」の太さの針金を選びます。
細い枝に太い針金を使うと傷みやすく、逆に太い枝に細い針金では曲がりません。
針金は、枝の曲げたい方向に合わせて巻いていきます。
基本的には、幹から枝先に向かって45度の角度で螺旋状に巻いていきます。
ポイント:角度が急すぎるとずれやすく、緩すぎると固定力が弱くなります。
幹からそのまま枝へ“1本の針金”で続けて巻くと、固定力が高まります。
幹を1周以上巻いてから枝へ進むのが基本です。
幹への巻き始めは、鉢の土に軽く押し込んで固定すると安定します。
枝の付け根から先端にかけて、等間隔で巻くのが理想です。
巻きがばらばらになると、力のかかり方にムラが出てしまいます。
巻いた後は、ゆっくり少しずつ枝を曲げます。
一気にグッと曲げると、ポキッと折れるリスクが高いので注意。
「枝の自然な流れ」を意識して、柔らかく曲線を描くように調整しましょう。
針金の余った部分は、専用カッターで切り落とします。
切った先端が枝や自分の手に引っかからないよう、内側に軽く曲げておくと安全です。
針金の外し方と外すタイミング|傷をつけない方法
針金かけは「巻くこと」以上に、「いつ・どうやって外すか」がとても重要です。
タイミングが遅れると針金が枝に食い込んでしまい、見た目が悪くなったり、樹にダメージを与える原因になります。



針金を外す際のポイントと手順を解説します。
針金を外すタイミングはいつ?
針金はずっと巻きっぱなしではなく、枝の形が定着した時点で外す必要があります。
目安の期間
成長期(春〜夏):1〜2ヶ月が目安
成長がゆるやかな時期(秋〜冬):2〜3ヶ月程度
ただし、樹種や枝の太さ、成長スピードによって差があるため、月1回は様子を確認しましょう。
チェックするポイント
- 針金が枝に食い込みそうな跡が出始めたらすぐに外す
- 枝を軽く手で押して、形が安定しているかを確認する
針金の外し方|ほどかず「切って取る」が基本
初心者にありがちなミスは、針金をほどこうとして枝を巻き戻してしまうこと。
これは、枝にねじれやひび割れを起こす原因になります。
安全な外し方の手順
- 専用の針金カッター(またはニッパー)を使用
- 幹や枝のカーブに沿って、針金を1か所ずつ細かくカット
- カットした針金を手でそっと取り除く



針金を引っ張ったり、枝に沿って引き抜かないことが大切です。
針金が食い込んでしまった場合は?
軽い跡なら自然に回復しますが、深く跡が残った場合は、次の剪定時に整枝しなします。
樹皮に傷がある場合は、癒合テープや癒合剤でケアするのも有効です。
- 外し忘れによる「針金の食い込み」は初心者に多いミス
- 1〜2ヶ月ごとに確認して、跡がつく前に早めに外すのが理想
- 外すときは「切って外す」が基本。ほどくのはNG
初心者におすすめの針金と針金カッター紹介(アフィリエイト)



どんな針金を選べばいいの?
ここでは、初心者が安心して使える針金と道具類(カッター)を、わかりやすくご紹介します。
盆栽用アルミ線(初心者向け)


- 柔らかくて扱いやすく、曲げ直ししやすい
- 色は茶色・黒など目立ちにくいものが◎



初心者は【1.0mm/1.5mm/2.0mm】のセットがあると便利です
\初心者用セットはこちら/


銅線(中〜上級者向け)
- 固定力が高く、特に松などの硬い枝向け
- 一度曲げるとしっかり定着する反面、扱いには少し慣れが必要



初心者はまずアルミ線に慣れてから使いましょう
\おすすめの銅線はこちら/


針金カッター
通常のハサミやニッパーよりも、針金専用カッターの方が安全・快適です。
刃先がしっかりしていて、力を入れなくてもスパッと切れるのがポイント。



小回りが利くコンパクトタイプが初心者におすすめ。
\おすすめの針金カッターはこちら/


- 初心者はまず柔らかく扱いやすい「アルミ線」からスタート
- 1.0mm~2.0mm程度の太さを揃えておくと便利
- 針金カッターは必須道具
よくある質問Q&A
針金かけを始めるにあたって、初心者の方からよく寄せられる質問をまとめました。
「これで合ってるのかな?」と不安になったときの参考にしてください。
まとめ
盆栽の美しい樹形づくりに欠かせない「針金かけ」。
最初は難しそうに感じるかもしれませんが、やり方の基本と注意点をおさえれば、初心者でも無理なく始められます。
繰り返し経験を積むことで、少しずつ理想の樹形に近づいていきます。
- 針金かけは、枝をゆっくり曲げて樹形を整える整枝作業
- 初心者は「アルミ線」+「1.0〜2.0mm」サイズからスタート
- 巻き方は45度の角度で、幹から枝先に向かって巻くのが基本
- 針金を外すタイミングは1〜2ヶ月が目安。跡がつく前に外す
- 針金は“切って外す”のが鉄則。ほどくのはNG
- 専用の針金カッターがあると作業が格段にラクになる
針金かけは、盆栽を“あなた好みのかたち”に仕立てていく楽しみのひとつです。



ぜひこの記事を参考に、気軽にチャレンジしてみてください。