
盆栽にはどんな土を使えばいいの?
植物を育てるなら土が大切なのは当然ですが、盆栽の場合は特に“土選び”がその後の育ち方を大きく左右します。
なぜなら、盆栽は小さな鉢の中で自然に近い環境を再現しようとするもの。
限られたスペースの中で、根が呼吸し、水や栄養を効率よく吸収できる環境を整えるには、適した土の組み合わせが欠かせません。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、
- 盆栽に使われる土の種類とその特徴
- 組み合わせのコツ
- おすすめの土や選び方
を丁寧に解説していきます。



ぜひ参考にしてみてください。
盆栽用の土は普通の園芸用土と何が違う?
盆栽に使う土は、一般的な園芸用土とは大きく異なる特徴を持っています。
普通の園芸用土は、家庭菜園や観葉植物などに向けて作られており、保水性や肥料成分が重視されています。
一方で、盆栽は小さな鉢の中で長期間にわたって育てるために、「通気性」「排水性」「保水性」のバランスが非常に重要なのです。



特に大きな違いは、以下の3つです。
通気性排水性の高さ
盆栽の土は、根が呼吸しやすく、水がすぐに流れ出るような構造になっています。
一般的な園芸用土では水分が残りやすく、根が常に湿った状態になりやすい=根腐れのリスクが高まるのです。
粒状で構成されている
盆栽用土は、赤玉土や軽石など1粒1粒がはっきりした粒状で構成されており、水と空気がうまく土の隙間を通り抜けるようになっています。
対して、園芸用土は細かく粉っぽいものが多く、鉢の中で詰まりやすくなります。
肥料分を含まない(または少なめ)
盆栽用の土は、基本的に無肥料またはほとんど栄養を含まないのが特徴です。
必要な栄養は後から肥料として補うのが前提であり、根に余計な負担をかけないためでもあります。
園芸用土のように最初から肥料が混ぜられていると、根が傷む肥料焼けを起こすこともあるのです。
このように、見た目は似ていても、目的や構造がまったく異なるのが「盆栽用の土」。
盆栽を元気に育てたいなら、ぜひ専用の土を選んであげましょう。
よく使われる盆栽用の土の種類と特徴
実際にどんな種類の土が使われているのかを見ていきましょう。
盆栽用の土は、単体で使うというよりも、複数の種類をブレンドして使うのが一般的です。
それぞれの特徴を理解することで、自分の盆栽に合った土を選びやすくなります。



初心者にもよく使われている基本の土の種類をご紹介します。
赤玉土(あかだまつち)
最も一般的で、ほとんどの盆栽に使用される基本の土です。
通気性保水性排水性のバランスが良く、どんな盆栽にも合わせやすいのが特徴。
粒の大きさも「極小粒」「小粒」「中粒」「大粒」とあり、用途に応じて選べます。
赤玉土だけでも使えますが、他の土とブレンドすることでさらに効果を発揮します。
鹿沼土(かぬまつち)
赤玉土に比べて酸性寄りで、軽くて柔らかい土です。
保水性に優れており、特にモミジやツツジなど酸性を好む樹種に向いています。
赤玉土と一緒に使われることが多く、根の発育を助ける役割もあります。
桐生砂(きりゅうすな)
排水性通気性に優れた硬質の砂利です。
粒が崩れにくく、長期間使っても土の状態が悪くなりにくいのがメリット。
水はけを良くしたいときや、赤玉土がやや重いと感じるときにブレンドします。
軽石(かるいし)
非常に軽くて、排水性通気性ともに抜群です。
主に底土(鉢底に敷く土)として使われることが多く、根腐れ防止に役立ちます。
また、赤玉土などと混ぜて使うことで、鉢全体の水はけを向上させることも可能です。
苔土・山野草用土
見た目を重視したい場合や、苔玉や山野草を使った盆栽を育てたい場合は、専用の用土が販売されています。
保水性や見た目に配慮された土で、観賞用のアレンジにも使われます。
竹炭
アルカリ性を好む品種の場合におすすめ。
微生物が共生し増殖することで木の成長を助ける効果もあります。
このように、それぞれの土には「通気性が高い」「水持ちが良い」「酸性度がある」などの個性があります。
基本は赤玉土をベースに、育てたい樹種や目的に合わせて他の土を少しずつ組み合わせていくのが、盆栽の土作りのコツです。
初心者におすすめの土の組み合わせ例
盆栽用の土にはいくつかの種類がありますが、実際にはそれらをブレンドして使うのが一般的です。



どう組み合わせればいいの?
ここでは、初心者でも扱いやすく、失敗しにくい土の組み合わせ例をご紹介します。
基本的には、赤玉土をベースにして、通気性や排水性を調整するように考えるとバランスよく仕上がります。
赤玉土+桐生砂|シンプルで万能な基本ブレンド
もっともベーシックで初心者におすすめなのが、赤玉土(小粒)7:桐生砂 3の配合です。
赤玉土がしっかりと水分と栄養を保持し、桐生砂が通気性と排水性を高めてくれるため、バランスの良い土になります。
多くの樹種に対応できる組み合わせなので、「何を育てるか決まっていない」「とりあえず失敗したくない」という方にも最適です。
赤玉土+鹿沼土|根の成長をサポートしたいときに
少し保水性を高めたいときや、酸性を好む植物(モミジツツジなど)には赤玉土6:鹿沼土4の配合がおすすめです。
鹿沼土がやわらかく水分を含みやすいため、根の張りが良くなり、植物が元気に育ちやすくなります。
水もちも良く、乾燥しやすい時期にも安定して育てられます。
赤玉土+桐生砂+軽石|通気性重視の配合
通気性と排水性を重視したいときは、赤玉土6:桐生砂3:軽石1などのブレンドもおすすめです。
桐生砂は粒が崩れにくいため、長く使っても土がベタつきにくいというメリットがあります。
特に松や黒松など、比較的乾燥気味を好む樹種にはこうした配合が向いています。
市販の盆栽用ブレンド土を使うのも安心
「自分で配合するのは面倒」という方は、市販の盆栽用ブレンド土(培養土)を活用するのもおすすめです。
こちらは赤玉土や桐生砂などがあらかじめバランスよく配合されており、初心者でも安心して使えます。
通販サイトでも手軽に購入できるので、初めての一鉢にはとても便利です。
このように、育てる樹種目的環境に合わせて土を組み合わせることで、盆栽の健康は大きく変わってきます。
盆栽の種類に合った選び方
盆栽は、樹種ごとに好む土の性質が異なるため、育てたい盆栽に合った土を選ぶことが健康に育てるコツになります。



代表的な盆栽の種類と、それに適した土を紹介します。
五葉松黒松赤松などの松類
松類は比較的乾燥を好み、通気性排水性の高い土が適しています。
水分が多すぎると根腐れしやすいため、水はけのよい配合が基本です。
赤玉土7:桐生砂3



桐生砂や軽石を多めに加えることで、通気性を確保できます。
真柏・杜松・檜など
真柏はややアルカリ性の土を好みますので、竹炭を配合した用土がおすすめです。
赤玉土7:桐生砂2:竹炭1
モミジやカエデなどの落葉樹
モミジなどはやや湿り気のある土を好み、保水性と排水性のバランスが大切です。
また、酸性寄りの土にもよく合うため、鹿沼土との相性も良好です。
赤玉土6:鹿沼土2:桐生砂2



少し保水性を高めつつ、通気性も確保できるバランスの良い配合です。
梅
梅は花もの盆栽の代表的な樹種で、適度な水はけと保水性のバランスが重要です。
また、根詰まりしやすいため、通気性も意識した配合が向いています。
赤玉土6:桐生砂2:腐葉土2



花芽をつけやすくするためにも、水はけが悪くなりすぎないように注意しましょう。
苔玉・山野草系の盆栽
苔玉や山野草の盆栽は、見た目の美しさと保水性を重視します。
特に乾燥しやすい環境では、ある程度の湿り気を保てるようにする必要があります。
赤玉土4:鹿沼土3:苔土や腐葉土3



保水性と見た目の柔らかさを両立できる組み合わせです。
このように、土の配合は「どんな盆栽を育てるか」で変わります。
最初は万能型のブレンド土でも問題ありませんが、慣れてきたら樹種ごとに土を使い分けてみると、盆栽の調子がぐっと良くなります。
まとめ
盆栽の健康を左右する「土」は、見た目以上に重要な存在です。
初心者の方は難しく考えすぎず、赤玉土をベースに桐生砂や鹿沼土を加えたシンプルな配合から始めるのがおすすめです。
樹種に合った土を選ぶことで、より盆栽が元気に育ち、長く楽しめるようになります。
- 盆栽の土は「通気性」「排水性」「保水性」のバランスが命
- 普通の園芸用土ではなく、粒状の専用土を使うのが基本
- 赤玉土は万能タイプ。迷ったら赤玉土ベースでOK
- 軽石や鹿沼土を加えることで、根の環境がより快適に整う
- 松モミジ真柏など、樹種によって合う土が異なる
- 市販の盆栽ブレンド土なら初心者でも安心して使える
- 土は劣化するので、定期的な交換(植え替え)も大切



あなたの盆栽にぴったりの土を選んで、育てる楽しみをもっと広げていきましょう。